2021年初詣|拝島大師

毎年恒例の拝島大師へのお年始。ただ、今年はコロナのことがあるので、はじめは松の内が開けてからのつもりでした。しかし、「たしか、お焚き上げは1〜2日だけじゃなかったっけ?」と思い、元旦の朝早くにサッと行ってサッと帰ってこようということで、行ってきました。

立川方面からバスで拝島大師へ

いつもは自転車で行くのですが、朝寒かったこともあり、今回は立川バスで行きました。立川バスは立川や昭島駅、拝島駅からのバスがあり、1月1〜3日の間は直行便もあります。

案の定、バスはガラガラ。自粛している人もいるというのにと、多少の罪悪感を感じながらバスに揺られます。

拝島大師は立川方面から青梅方面に向かって、本覚院、大日堂、日吉神社と並んでいます。

本覚院をぐるりと囲むのは、塗りのない木造の塀です。本覚院は、塀も中の建物も素の木目を生かした作りになっていて、一見質実剛健のような印象を受けますが、よく見るとあちこちに瀟洒な彫りが施されていて、見ていて飽きません。

塀に沿って歩くと、本堂前の南大門があります。ここから入って本堂まで参道を歩きます。

 

総木造の南大門を下から見上げたところ。丁寧な仕事が施されていて圧巻です。

しばらく歩くと本堂の入り口。ただ、変わっているのは、建造物のほとんどが木造なのに対して、本堂入り口の門はコンクリートで作られた文殊楼だということ。白ベースに赤い縁取りで、ちょっと竜宮城を彷彿とさせます。

本覚院の境内は撮影禁止なので、写真でご紹介できないのがとっても残念です。

文殊楼をくぐってすぐ右手に、いつものお正月ならお焚き上げの場所が設けてあるのですが、「終了しました」の張り紙が。ショック。(後で中に入ったら、お守りを売っているところで受け付けていました)

遠景から見た拝島大師です。

文殊楼をくぐると、すぐ右手に八角円堂・弁天堂があり、琵琶湖を模した池へと続きます。結構大きな八角堂で、こちらも美しい木造です。

中には左から毘沙門天、弁天像、聖徳太子が祀ってあるそうで、これは天台独特の三尊形式なのだそう。弁天様は学問と芸が達者な神様とのことなので、芸事や学業のお参りをするなら外せませんね。

左手には経蔵・転法輪蔵(写真右)、奥の院に多宝塔(写真中央)。そして奥に本殿(写真左)があります。

どれも立派な建造物ですが、特に経蔵・転法輪蔵は細かな彫りの細工が美しく、じっくりと観たい建物です。

もう少し右に行くと、大黒堂があります。これはつい数年前までは本堂だったというもので歴史が古く、大黒様のほかに薬師如来・日光・月光両菩薩、十二神将も祀られているそうです。

手前の手水舎は青銅製の龍の口がついていて、これもひっそりと美しい構え。手水舎は大黒様、本堂共通のものなので、ここで手や口を清めます。

 

いつもなら遠方からもお参りの方々がいらっしゃって境内は行列ができるのですが、今年の元旦は密を避けるために人手が少なかったです。地元の人だけだったのかもしれません。サッとお参りするつもりでしたが、つい長居をしてしまいました。

一通り本覚院をお参りしたら、西門から出て道を挟んだ向かい側の大日堂に行きました。

本覚院と大日堂の間のこの道は、けっこう急な坂道で奥多摩街道から下ってくる道になります。ただし、車で通るのはちょっと狭くて不便なので、近くまで来たら駐車場に隣接する青梅街道に出てくるのがおすすめです。

大日堂の隣には日吉神社があり、そのまま横にスライドすることもできます。いつもならそうしてしまうところですが、年のはじめなので、ここは鳥居から正式に入ることにしました。

日吉神社も立派な鳥居が立っています。大日堂と日吉神社の間には普通の住宅が立っていて、由緒正しいながらも地域に溶け込んでいる印象です。

参道を歩いて階段を数段登ると、拝殿になります。こちらには撮影についての看板などがなかったので、一枚撮らせていただきました。

拝島大師のご利益

拝島大師はたくさんの仏様や七福神などが祀られており、ご利益がたくさんあります。

  • 厄除け祈願
  • 当病平癒祈願
  • 家内安全
  • 商売繁盛
  • 学業成就・合格祈願
  • 交通安全
  • 十三参り(子どもが13歳になったときの学業成就・諸芸上達)
  • 願望成就

その他、七五三やお宮参りなども行われています。特に厄除けが有名で、本堂下には厄年がひと目で分かる一覧表が大きく提示されています。

拝島大師に祀られている仏様や神様

  • 元三大師
  • 大日如来
  • 如意輪観音
  • 本山比叡山根本中堂の文殊さま
  • 弁天様
  • 毘沙門天
  • 聖徳太子
  • 大黒天
  • 薬師如来
  • 日光・月光両菩薩
  • 日光・十二神将
  • 水天宮

厄除けアイテム(角大師・豆大師・厄除けうちわ)

御札は2種類あり、角大師は厄除け(右側の写真)、豆大師は招福開運(左側の写真)です。

うちはいつも角大師をいただいて、玄関に貼っていますが、今回は2枚セットになっていました。

角大師は鬼が片膝をついて睨みをきかせているで、本当に厄が引き返していきそうですよね。

そのほかにも破魔矢や熊手、厄除けうちわなどもあります。

ところで「大師」ってお寺?神社?

大師は仏教の高僧に送られる尊称のことで、「偉大なる師」という意味です。

つまり、お寺と神社に分けるとしたら、大師はどちらかというとお寺側ということになります。

大師とつく方で有名なのは、弘法大師(空海)などですね。関東には弘法大師を祀っている川崎大師、西新井大師、観福寺大師堂という3大厄除け大師があることでも知られています。

それとは別に、関東3大大師というものもあります。佐野厄除け大師、青柳大師、川越大師で、こちらは天台宗の元三大師(良源)が祀られています。

そう。拝島大師もこちらの流れなんですね。

拝島大師の歴史

この記事を書くにあたり、近隣に住んでいながら拝島大師の由来や歴史をよく知らなかったので、ちょっと詳しく調べてみました。

拝島大師の由来

のちに元三大師と呼ばれる慈恵僧侶は、比叡山延暦寺にて修行し、慈覚大師の教えを発展させて誰でも仏になれる法華経教義を確立しました。

没後は民衆がその像を作って信仰していました。また、自らが掘った御尊像もあり、没後はそのまま延暦寺に収められてましたが、信長による焼き討ちにあったとき、僧侶のひとりがなんとか持ち出して守り、諸国を行脚した後に流れ着いたのが拝島だったということです。

拝島大師のご本尊は如意輪観音です。元三・慈恵大師は生前から霊験あらたかで、皆が仏か菩薩と噂しましたが、弟子の恵心僧都が「いえ、元三様は如意輪観音(観音様の生まれ変わり)です」と言ったことから如意輪観音が祀られているとのこと。

毎日観世音を念じていれば、穢れや煩悩にまみれた心に救いが起きるそうです。年末年始のお参りにはぴったりのスポットですね。

拝島大師が建てられた年代

拝島大師が建てられたのは、江戸時代です。昭島市には北条氏の滝山城があるのですが、その鬼門の方角に厄除けとして建てられたのが拝島大師。

昔から北東は鬼が出入りするよくない方角とされており、平安京の鬼門には延暦寺や日吉神社、貴船神社、鞍馬寺が建てられています(昔は神社仏閣は今と違ってセットでした)。

そのため、拝島大師の隣にも日吉神社が建てられています。お参りの時はほとんどの人が、両方に足を運んで手を合わせていますよ。

旧本堂と新本堂

参道の東側には旧本堂があります。これは文政2年(1819年)に再建されたもの。江戸時代からここにあったのだと思うと、改めてロマンを感じますね。

当山中興二十四世の義順和尚という方が、近隣諸国を渡り歩いて資金集めをし、10年もの歳月をかけて完成したものだそうです。

旧本堂には、古来大師御堂の脇侍に祀られていたという大黒さまが鎮座しておられます。大黒天はインドではマハーラーカーと呼ばれて万物想像の最高神と崇められている存在だそうで、日本では大黒様として親しまれ、七福神の一人として有名ですよね。

観音様に大黒様と、調べるにつれてますますありがたみが湧いてきました(今まで知らずにお参りしてました)。

旧本堂は平成3年に現在の場所に移され、新本堂が完成したのは平成6年というのですから、ほんのつい最近の出来事だったんですね。

拝島大師のだるま市

毎年1月2日・3日はだるま市が開かれます。毎年たくさんの露天が軒を並べ、多摩だるまをはじめとした様々なだるまが売られています。

拝島大師のだるま市は全国でもっとも早いのだそうですが、元旦から出ているお店もありましたよ。

拝島大師についてもっと詳しく知りたい方は、公式サイトに行ってみてくださいね。

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