「違和感」という言葉に対して、口頭ではときどき「感じる」と使ってしまうのですが、文章にしてあたらめて書いてみると、それこそ違和感があります。
子どもの頃から違和感は「〜がある」や「〜を覚える」「〜を抱く」という言葉をくっつけると習ってきたし、自分も添削するときにはそうお伝えしています。
「違和感を感じる」という表現は、まるで「頭痛が痛い」「馬から落馬する」と同じような使い方なのでは? となんの疑問もなく思っていたからです。
「頭痛が痛い」という使い方は、意味の重複なので、変な感じがするってことなんです。
でも、昨日息子から「違和感を感じる」肯定論をふっかけ(?)られました。
息子の理論は「違和感」は「なんかおかしいなという感覚」なので、それを感じると表現するのはおかしくないんじゃないか、と。
いやいや、「感」が使われてる時点で「感じ」ってことなんじゃないの? と私。
息子も負けていません。
「違和感を感じるっていう使い方は、『踊りを踊る』と同じなんじゃないの?」。
なるほど、確かに「踊りを踊る」「歌を歌う」って言いますよね。
「踊り」は名詞で「踊る」は動詞。だから意味の重複ではありません。
違和感は……あれ? なんだか自分が今まで信じてきたことが揺らぎ始めました。
素人の二人が議論してても仕方ないので、さっそく調べてみました。
すると、識者の間でも見解が分かれるそうで、「二重重複だ」と言う人もいれば、「いいや名詞+動詞だから問題ない」という人もいるとのこと。
な〜んだ、日本語の専門家でも決めかねてるってことなのね、と納得した次第です。
結論としては、「違和感」は「感じる」も「抱く」も「覚える」も「ある」も許容してしまう、懐の広い単語なのでした。
ちなみに、あまり耳慣れない表現ですが、「違和を感じる」という使い方もあるそうです。
私は聞いたことないですけどね。
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