「〜という」「〜と言う」。
この2つ、よく見ますが、見過ごしてしまう方も多いのでは?
はぁ、日本語って本当に難しい。
書く側になって、はじめて意識する言い回しのひとつが、この「〜という」「〜と言う」です。
今回は、「〜という」「〜と言う」の違いについて解説します。
「〜という」は説明や強調
「〜という」には、2つの使われ方があります。
ひとつは前の言葉を説明する場合。
例えば、
- 小手鞠という花
- キヌアというスーパーフード
- 人前式という結婚式の形式
- のっぽさんというあだ名
という具合です。
前の言葉を説明するものとして、「〜というものは、」と続けるわけです。
読む人がわからないことを前提に、「〜という」を使います。
そして、「〜といった」に変形することもあります。
- これといった収穫はなかった
- セロトニンやカロナールといった薬は鎮痛剤の種類である
という具合です。
例えばひとつの文章を書くときに、「〜という」を2回以上使う時、文章が単調になってしまうのを避けるために使ったりします。
「〜という」のもうひとつの使い方は、前後の言葉の強調です。
例えば、
- 人というものはわからないものだ
- 猫というものは本当に可愛い
- 今日という今日は最前列をとる
- 店という店が閉まっている
といった具合。
上2つと下2つはちょっと違う使い方ですが、どちらも強調していることが分かります。
「〜と言う」は実際の発言
「〜という」に対して漢字が入った「〜と言う」は、実際の発言に用います。
例)
- 子どもが「お腹すいた」と言う
- この犬種はなんですか?と言う
- このデコレーションには赤がいいと言う
一目瞭然、誰かが発言したことを表す動詞です。
「〜という」「〜と言う」の使い分け
「〜と言う」をひらがな表記で書いても間違いではありません。
ただ、ひらがな表記にしたというだけだけですから。
ところが、「〜という」を漢字で書くと間違いになります。
例えば上の文章、「ただ、ひらがな表記にしたというだけだけですから」をこう書くとどうでしょうか?
ただ、ひらがな表記にしたと言うだけだけですから。
この場合は誰かの発言ではなく、説明で使っているので動詞を使うとおかしなことになってしまいます。
このように、「〜という」「〜と言う」をきちんと使い分ける必要があります。
知らないまま誤った使い方をすると、ちょっとバカっぽい文章になってしまうのでご注意を。