「ひいては」の4つの意味と使い方!例文や「しいては」との違いをご紹介

「〜ひいては○○ください」よく使う表現ですね。
しかし、本当に「ひいては」の意味を正しく理解して使えているでしょうか?

なんとなく感覚で使って、知らないうちに失礼をしている可能性恥をかいている可能性があるかもしれません。

特に熱弁を振るって説得しているような場合は、言葉を間違えて使うと説得力に欠けるし、信頼性も危うくなりますね。

ここでは、「ひいては」についての正しい意味や、よく似た「しいては」との違いなどをご紹介します。

使い方にちょっと不安がある、しっかりと理解したいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

「ひいては」の意味

「ひいては」を漢字にすると「延いては」になります。
「引いては」と思っていた人も多いのではないでしょうか。

「延いては」とはつまり、その延長線上の話を展開する際に使います。

原因と結果があった上で、

  1. 現状維持での予測
  2. 別の内容に発展する
  3. その結果を含めてさらに広がる
  4. その内容をさらに強める

などの時に使用するのが正解です。

言い換えると、「結果的に」「最終的には」といったニュアンスで使われるものと考えると分かりやすいでしょう。

「ひいては」を使った例文

上記の例を参考に、「ひいては」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

1.現状維持での予測

「社員の福利厚生を良くすることが、ひいては会社の業績アップにつながる」

「たった1度の信頼喪失が、ひいてはたくさんの顧客を失う可能性につながる」

現状がこうなので、将来的にこうなるだろうと予測する時に使います。現在だけでなく未来まで見越した発言のときによく使用されます。

2.別の内容に発展する

「乳歯の虫歯予防は、ひいては全身の成長や将来の心身の健康に大きく影響する」

「身だしなみは外見を左右するだけではない。ひいては人格や品格まで判断されてしまう」

現状でこうであるときに、別のこんなことが起こる可能性も十分あるという時に使います。転じて、という意味ですね。

3.その結果を含めてさらに広がる

「個人の節電はごく小さな力だ。しかし、ひいては国の省エネにつながるものだ」

「たった1つの落書きが、その場所の治安を悪くする」

今はこうかもしれないが、実はこう広がっていく可能性を秘めているという時に使います。これはほんの始まりに過ぎずこれを発端にしてさらに広がっていくかもしれないよね、という意味です。

4.その内容をさらに強める

「個人の権利だけでなく、ひいては人間の尊重のためだ」

「勉強は知識がつくだけでなく、ひいては考え方や選択肢を広げる」

主張に対してさらに強めて言いたい時に使います。説得力が強まりますね。

「ひいては」と「しいては」の違い

「ひいては」の意味の中にはその内容を強めるというものもあるので、「しいては」と混同して使ってしまうこともよくあります。

しかし、「しいては」を漢字にすると「強いては」になり、「強いる」の活用形なので意味がかなり異なってきます。

ここで気づいた方もいるかもしれませんが、実は「しいては」という日本語は存在しません

文中の中で「強いてはいけない」「強いて言うなら」などのように、「強いる」の活用形として使うことはあっても、「しいては○○してください」のように使うのは間違いです。

ちなみに、「急いては(せいては)ことを仕損じる」と混同して「しいてはことを仕損じる」と使われることも多いようですが、謝って使うと恥をかいてしまうので注意しましょう。

「ひいては」の類語

「ひいては」を別の言い方や言い回しにするには、以下のようなものが考えられます。

  • それゆえ
  • それにより
  • さらには
  • とどのつまり
  • 最終的には
  • 結果として
  • それどころか
  • のみならず
  • 加えて

たくさんの言い回しがありますね。
同じ言い回しを何度も繰り返すのは単調になって良くありません。

「ひいては」の色々な言い回しの引出しを増やして、できる大人になりたいものです。

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